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10.08.01 四つ葉通信 こどもの歯周病
小中学生の約2人に1人が歯周病。4人に1人に歯石の沈着がみられます。
「歯周病は大人が罹る疾患で、こどもは関係ない」と思われている方が少なくないようですが、平成17年の歯科疾患実態調査によると、10~14歳のこどもの半数に出血や歯石の沈着などの歯周病の所見がありました。5~9歳のこどもをみても、4割弱のこどもに歯周病が見受けられます。しかし、小中学生ではほとんどが歯肉炎であり、歯周炎まで進行していることは非常に少ないのが現状です。
こどもの歯肉炎の原因は?
こどもが歯肉炎になる原因の多くは、不十分な歯みがきであると考えられます。幼い頃は保護者が仕上げみがきや点検みがきをし、管理が十分にされていた場合でも、小学校中~高学年になると、保護者による仕上げみがきや点検みがきをしない子が増えてくるのではないでしょうか。
加えて、第一大臼歯(6歳臼歯)や第二大臼歯(12歳臼歯)が生え、より口腔内が複雑になることも、歯みがきが不十分になる原因になるのではないかと考えられます。
また、歯みがきのほかにも、現代のこども達はやわらかい食べ物を好んで食べていたり、糖分が多く含まれる食品を頻繁に摂取したりする傾向があり、プラークがたまりやすいお口の環境であるともいえます。
そのほかに、口呼吸や歯列不正なども原因となることがあります。
歯肉炎の原因として考えられるもの
- 不十分な歯みがき
- やわらかい食べ物の摂取
- 糖分の過剰摂取
- 口呼吸
- 歯列不正 など
侵襲性歯周炎とは?
以前は、「若年性歯周炎」といわれていましたが、現在は「侵襲性歯周炎(しんしゅうせいししゅうえん)」といわれるようになりました。遺伝による体質と、特定の菌の感染がかかわっているといわれています。
健康な10~20代の若者に発症し、急速に進行することが多く、また、なかなか治りにくい場合があります。
侵襲性歯周炎の特徴
- 10~20代といった若い年代で発症する
- 急速に進行する
- 前歯と第一大臼歯に限って発症することが多い
- 遺伝的要因が大きい
- なかなか治りにくい など
こどもの歯肉炎の原因の多くは不十分な歯みがきのため、むし歯にもなりやすいと考えられます。むし歯と歯周病のケアのために、ブラッシングはとても重要です!